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本学園代表理事望月泰宏が
NPOと行政が対等かつ持続的な議論の場の必要性を訴える

 11月12日(水)埼玉教育会館において、「埼玉のNPOと行政との新しい関係づくりをめざして」と題し、埼玉県内のNPO・市民団体と埼玉県のNPO施策について、上田埼玉県知事と語り合う会が行われた。県内のさまざまなNPOの現状をふまえ、これからのNPOと行政の関係がどうあるべきかについて、直接、知事と多くのNPO関係者との間で意見交換された。本学代表理事望月の発言を中心にお伝えする。

「NPOの時代」についての基本認識 なぜNPOなのか?

○望月(NPO法人フリースクールむさしの学園 望月泰宏 代表理事)
 今日は、上田知事がお住まいの志木市から来ました。志木市で、NP O法人フリースクールむさしの学園をやっています。なぜNPOか、という例として、私自身が関わってきたことを申し上げさせていただきます。私、40年弱、塾をやっています。でも、15年ぐらい前から、いわゆる不登校、当時は登校拒否と言いましたけども、その子たちが増えてきました。で、私は塾の中で対応してました。しかし、だんだん増えてくるにしたがって、塾の中 ではできなくなり更に相談も増えてきました。そこで必要性に迫られて、NPO法人を作り、そういう不登校とか、引きこもりとか、発達障害に関わる教育相談および学習支援 を、今続けています。NPOがなぜ必要かと言ったら、やはりニーズがあるからなんですね。
 もう一つの事例として、私は、今、「子育てになやむ親の集い」連絡会を、県内32団体と協働してやっています。結果的には成功した訳ですけど、どうして、それが 成功したかというと、例えば、生まれてから学校に入るまで は、子育てに関わる問題は行政では福祉関係が関わり、4月1日に小学校に入学すると、これが育委員会になるんですね。次に、中学3年を卒業しますと、今度は、健康や福祉が関わるようになります。行政は必ず縦割りですから、連続性がない訳ですね。でも、子育ては、常に連続性を持ってるわけです。行政にいくら「子どもの諸問題の連続性」を訴えても、つながる訳はないんですから、じゃあ、民間でつなげよう よという発想なんです。
 現在、32の団体が一つで活動しています。現在まで、4回、全体会とか相談会とか開催しました。そして、今月はさいたま市、来年は川越市、それから越谷市も予定しています。このような小回りのきく活動は行政はそれをできない、特に県は。それは、民間だからできるんですね。
 ニーズがあるから行政サービスが行われるわけですが、行政はどれだけ行政サービスが できるかというと、やはりすべてのニーズに答えることは無理です。できるものもありますけども、行政は全能の神ではありませんから、できないものも多くあります。また、さらに、経済的にも右肩下がりという状況からいくと、どんどんできないことばかりが増えていく。それでも、なおかつ、問題解決をしてほしいというニーズは常に確固としてある訳ですね。そして、解決されないニーズを 避けて通ることのできない人間もいる訳です。で、彼らは、そのニーズに対応するために、まず、動き出します。ある意味では、ミッションだと思います。それが、NPOのきっかけ。ですから、われわれNPOというのは、様々ニーズに対して、様々な活動をしている訳です。大きいところもあれば、3人とか いう小さいところもあります。でも、それぞれ、自分にプライドを持って、自分たちの活動を専門的に追求している訳です。そういう意味では、自己決定、自分の意志でNPOをやっている、これは、NPOの皆さんは確認してると思うんで すが、是非とも、行政もその辺は理解してほしい。ですから、行政がやれとい うからやるんじゃないんです。基本はそこにある訳です。私たちは自分の意思決定でやるんです。そこのところを行政がどれだけ共有できるか、そこがポイントですね。
 行政はNPOとの協働をよくボランティア、ボランティアといいます。NPOと協働すれば安上がりとでも考えているようにも思えます。それはおかしい。別にお金がほしいと言うんじゃないんですね。我々が必要だからやってるんだから、それを前提の上で、協働してほしいということを行政が認識して欲しいのです。僕はお願いごとは嫌いなんですけど、やはり、上田知事のトップダウンで、行政職員の意識改革を遂行してほしい と、私は思います。ただ、そのときに、行政の中だけで意識改革をしようしても、これは無理です。やはり、我々NPOと、いわば平等に、そして持続的に議論 する場面がなければ、これは無理だと思います。そういう議論と活動の中で、意識改革が行 われるんだと、私は思います。そのためには、NPOが担うもの、または、協働に伴う責任、それから、NPO推進室が我々の窓口ですけども、NPO推進室が窓口でも、NPOに関わっているのは全庁的なんですから、どうしたら全庁的に我々と会議ができるのか、その辺も考えておいていただきたいんです。
 それから、私たちは、これは、NPOの皆さんにも言いたいんです が、やはり、要求型であってはならないと思うんです。我々は、もしも、行政と 真の協働を持続しようと考えるならば、その協働作業は、私たち自身が自立していくため の一つのプロセスとして考えることが大事だと思うのです。
 NPOの活動は行政のためにするんではない んです。我々が住んでいるまち、我々が住んでいる国を、県を、少しでも、楽 しい、過ごしやすい、自分たちのものにするためにやるわけであって、私たちは仕事を与えられてやるんじゃないということだけは、行政もNPOの方々もここで確認 したいと思います。
 そういう訳で、NPOと行政が対等に、かつ持続的に議論する場所を、NPOと一緒につくりましょう、と上田知事さんをはじめ行政の方々に呼びかけたいと思います。お願いはイヤなんですけど、よろしくお願いします。

○上田埼玉県知事
 何気なく聞き惚れてました。とにかく、目的が、いいと思います。要求型であってはならないと、誰のためにやる訳でもないと、自分たちの思いを実現するために、地域でも、また、自立的にやるんだということで、大変ありがたいなと思いました。我々も、NPOを取り組んでいきたいという思いはありますが、それは、行政の下請けにするためにやっちゃいけないなあということだけは、意識しておかなくちゃいけないなと思いますね。ともすれば、少し節約したいというような、こういう発想ではいけないと思いますね。いかに、市民の人たちが、何らかのかたちで、個々に参加するというんじゃなくて、一つの団体、グループとして参加していただくことで、はっきりした責任も分かるということでですね、そういう意味での、行政に参加していただく、あるいは、行政と協働していただくということが一番いいのかなというふうに思っています。
 なかなか、新しい概念でこれは出て来ているとこですので、行政側も、まだ、どんなふうにこれを取り扱っていいかということが分かりづらいと思っています。私自身も、まだ、分かりづらいですし、はっきり言って。一所懸命、法案を進めた人間のくせに、そういうことについては、まだまだ、新しい発見ですので、これから、どういうふうになるのか、そのうち、はっきりしてくるのかなあと思っています。

 埼玉のNPOと行政との新しい関係づくりをめざして
〜上田知事を囲んで〜
記事全文は以下のサイトからご覧いただけます

    http://www.sa-npo.org/chiji.html


第二回、討論:「ザ・教育委員会」開かれる

 NPO法人フリースクールむさしの学園は12月20日(土)、志木市民会館パルシティにおいて第二回「討論:ザ・教育委員会」を開催した。

 出席者は、石田芳弘愛知県犬山市長、穂坂邦夫志木市長、松崎頼行鶴ヶ島市教育長、コーディネイターとして小川正人東京大学教育学部教授、望月泰宏本学代表理事の5名。前半はそれぞれの主張を述べ、後半は質疑応答も行った。


「教委より市民審」
討論会で志木市長
 市町村の教育委員会制度の在り方を探る討論会「ザ・教育委員会」が20日、志木市内で開かれ、愛知県犬山市の石田芳弘市長、志木市の穂坂邦夫市長、鶴ケ島市の松崎頼行教育長がそれぞれの持論を語った。志木市のNPO法人フリースクールむさしの学園の望月泰宏代表理事が企画した。
「教育委員会の潜在力を引き出すことで地方主権や地方主体の教育改革が出来る」と主張する石田市長は、子どもが「学ぶことが面白い」と目を輝かせるために取り組んでいる少人数学級による授業や独自の副教本づくりを披露した。
 政府に構造改革持区の一つとして「教育委員会廃止」を提案した穂坂市長は「現在の教育委員会制度は市民に分かりづらく、たて前と実態が違っている」と弊害面を指摘。そのうえで「多くの市民に関与してもらう審議会の方が教育の中立性を確保出来る。今のままか、新たな審議会とするかは住民投票で決めるべきだ」などと語った。
 松崎教育長は「日本の教育は教育関係者だけで決めてきたことから多くの問題を生み、地域と学び合う教育の大切さを捨ててきた」と指摘。子どもを中心とした開かれた学校づぐりや市民が参加できる教育行政の必要性を強調した。
当日の様子を伝える朝日新聞(平成15年12月21日、朝刊、埼玉版)より

開催予告記事
朝日新聞 15.12.19
朝刊 埼玉版
開催予告記事
埼玉新聞 15.12.9
当日の様子を伝える記事
朝日新聞 15.12.21
朝刊 埼玉版
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第三回 開催
「子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会」

 11月30日(日)、埼玉会館において「子育てになやむ親の集い」連絡会による第三回「子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会」開催された。第四回は2月11日(水)に川越クラッセで開催する。


第四回「子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会」

日時:平成16年2月11日() 午後1時30分〜4時
会 場: 川越クラッセ6F多目的ホール
 住所:川越市菅原町23−10
 電話:049−228−7712
交 通 東武東上線川越駅東口下車徒歩3分
主 催 「子育てになやむ親の集い」連絡会
資料代 500円
定 員 100名
申込方法 事務局に電話(048−487−0006)
又はメールにてお申込み


「子育てになやむ親の集い」連絡会事務局
住所 〒353-0007
埼玉県志木市柏町4−5−28
 NPO法人むさしの学園内
電話 048−487−0006
メール sec@manabi-21.com

連絡会への参加団体募集中


市民委員会が市の予算を編成/志木市


予算、市民と作ります
 志木市が初めて企画した「市民予算説明会」が13日、市立いろは遊学館で開かれ、市民の有志約180人で組織する「市民委員会」と市が、来年度予算について意見を述べ合った。市は今後、市民委員会の考えも参考にして来年度予算編成の作業を進める方針だ。
 予算説明会で、企画部長ら市の部長7人が新規事業などを踏まえた予算編成の方針を、市民委員会側は「市民の目」で作成した「予算書」の内容をそれぞれ説明し、相違点などを話し合った。
 この中で、市民委員会側から「市が所有する車の台数を半減する」「無償で貸し付けている土地などの貸料徴収」「軽度の発達障害を抱える子どもたちを支援する事業へ民聞の力を活用して経費を削減する」などの要望や考えが出された。
 説明会を聞いた同市中宗岡の主婦(50)は「これまで市と、市民が予算について意見交換する場がなかった。行政への関心を高めるきっかけにもなるので今後も開いてほしい」。市民委員会の望月泰宏会長は「我々の要望が反映した予算案を作ってほしい」と話した。
(朝日新聞 平成15年12月14日 朝刊 埼玉版より)

開催予告記事
朝日新聞 15.12.12
朝刊 埼玉版
開催予告記事
埼玉新聞 15.12.12
当日の様子を伝える記事
朝日新聞 15.12.14
朝刊 埼玉版
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志木市のまちづくりなどについて講演
静岡県富士市

 静岡県富士市の市民政策提言機関であるNPO法人「コミュニティシンクタンクふじ」(児島準一理事長)は12月12日(金)、法人設立記念講演会を同市中央町のラ・ホール富士で開いた。市民の行政参画を思い切った形で進める埼玉県志木市の担当者らが、これからのまちづくりなどについて講演した。(以下は静岡新聞の記事より)

 市民委員会代表の望月泰宏さんは、すべての事務事業の見直しを行った市民委員会の取り組みを紹介、「市民だからできることがある」と強調した。またCTTFの取り組みにも触れ「市民委員会も補助金には手がつけられなかった。一つのモデルケースになると思う」と述べた。
 この後、望月さんらと会場の市民らが意見交換した。


静岡新聞の記事全文は下記のサイトからご覧になれます。
 http://www.shizushin.com/news/topics_2003121409.html


志木市の行政改革と市民委員会の活動が、
TBS特集番組で全国に報道される

 12月14日(日)のTBS報道特集で志木市の行政改革・市民委員会の活動が約30分にわたり報道され、全国から問合せが殺到した。市民委員会会長という立場の本学園代表理事望月はインタビューや市民委員会の活動等々の場面で登場、また本学園も紹介された。

 総選挙速報に先立つ特集番組で、この2年半における志木市の各種取り組みが紹介された。
 番組では行政パートナー制度、教育部会を例とした市民委員会の活動が報告された。
 番組コーナー終了間近の「確かに国と市では同列に比較できません。しかし同じ2年半で、志木市では色々な芽が出て、そして実を結んでいるという現実もあります。」とのキャスター発言が印象的だった。


NHK総合テレビジョン
「クローズアップ現代」

志木市の行政改革や市民委員会の活動を特集

 1月15日(木)放送

総合テレビ  夜7時30分〜7時56分
BS−1  夜9時24分〜9時50分

他の特番などで変更される場合があります

 NHK総合テレビジョン「クローズアップ現代」の番組で志木市の行政改革や市民委員会の活動の特集が放送される予定。本学園の望月も登場する予定(?)。ぜひご覧ください。

「クローズアップ現代」のホームページ
http://www.nhk.or.jp/gendai/


<11月号既報>
第二回「子育てになやむ親の集い」開催
発達障害を持つ子どもたちに関わる諸問題
社会的理解を求めて

 10月26日、志木市の「ふれあいプラザ」で第二回「子育てになやむ親の集い」が開催された。

 10月26日、志木市の「ふれあいプラザ」で第二回「子育てになやむ親の集い」が開催された。発達障害を持つ子どもたちに関わる諸問題を「幼児期・学童期・思春期」の年代別にわけ、「チューリップ元気の会」代表の溝井啓子さんと「埼玉親の会「麦」の代表の矢崎弘美さん、連絡会事務局の平田さんが講演。終了後、会場からの質問に3人の講演者が答えた。参加者は約85名。発達障害を持つ子どもの保護者だけでなく、行政関係からも多く参加していた。質疑応答の中で「発達障害に関わる問題の難しさ・社会的理解のなさ」が浮き彫りにされ、参加者は今後もこのような会が行われることの必要性を訴えていた。
第二部では参加者が「発達障害」と「不登校・引きこもり」に分かれ、参加者それぞれが抱えている問題を話し合った。そのときの話し合いの要点については個人的な問題を除いて後日、HP上で報告する。

 第三回・第四回「子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会」開催の予定は下記のとおり。

子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会

〜しなやかなる連携を求めて〜

対象:不登校・不登校・引きこもり等の問題に関心のある方
(保護者・団体・教育現場及び行政担当職員・学生他

 不登校・不登校・引きこもり等に関わる悩みや問題を独りで抱えている親御さんたちに、「悩みや問題をみんなで共有化し、一緒に考えましょう!」と「子育てになやむ親の集い」連絡会が呼びかけている集いです。


第三回「子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会」

日時:平成15年11月30日() 午後1時30分〜4時
会 場: 埼玉会館小会議室3C
 住所:さいたま市高砂3−1−4
 電話:048−829−2471
交 通 JR京浜東北線浦和駅西口下車徒歩3分
主 催 「子育てになやむ親の集い」連絡会
資料代 500円
定 員 100名
申込方法 事務局に電話(048−487−0006)
又はメールにてお申込み


「子育てになやむ親の集い」連絡会事務局
住所 〒353-0007
埼玉県志木市柏町4−5−28
 NPO法人むさしの学園内
電話 048−487−0006
メール sec@manabi-21.com

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