「発信21」 「発信21」へ戻る


 

「ひと塾」3月親サロン報告

 

 15日(日)、今までで最多となる13名の参加を得て「ひと塾」親サロンが行われました。
 この日はフリーマーケットの打ち合わせの他、「夫婦」の関係が話題に。父親と母親が別々の方向を向いている家庭は意外と(?)多く、それでも平穏に日々は過ぎていくものだけれど、子ども(とくに課題に直面している子ども)に対する時には夫婦が同じ方向を見ることが大切。父母で言う事がバラバラでは子どもは混乱するし、結局自分にとって都合のよい方をその都度選択する…子どもは結構ズルイのです。
 私は厳格な母と優しい父の下に生まれました。父母の意思疎通は薄く、私を叱る母は怪獣みたいに父の目には映っていたようで、だからこそ父親は無条件に私に甘く、それを見た母は苛立ちました。父母のミゾは深まり、子どもはその都度都合よく両親を使い分け…結局皆が損をしていたみたいです。
 その場しのぎの分断した愛情ではなく、父母が共に「子どもが育ちゆく先」を見据え一貫した態度を示していけたら、子どもは少し、楽になれるのかもしれません。(柴田)


 

「不登校の子を持つ保護者のためのセミナー」
定員200名の募集に400名近い人が集まる!
 

 むさしの学園および「ひと塾」は、3月8日(日)「不登校の子を持つ保護者のためのセミナー」(埼玉県教育委員会主催)に参加しました。当日は二〇〇名の会場に四〇〇名近い保護者、教育関係者が集まり、急遽別室にモニター設置会場を設けるほどの盛況ぶり。第一部では「待つこと」と「待ち方」をテーマとして東教授(埼玉大)の講演が行われました。
 続く第二部は、むさしの学園代表の望月がコーディネーターになり、県内のフリースクールやフリースペース・親の会、各団体の代表者がパネラーとなり簡単な活動報告を行い、その後で会場からの質問に答えるという形式で進められました。
 子どもの状態への具体的な対処方法を問うもの、相談機関の利用方法を問うものなど様々な質問が寄せられ、それぞれの分野での経験に基づいた回答・意見が交わされました。経験の浅い私は、自分が子どもたちとどんなふうに過ごしているか、この仕事に対してどんな想いを持っているかといったことしかお話できませんでしたが、他のパネラーの発言はこの日来場した方々に資する所の多いものであった筈です。
 寄せられた質問からは、この日集まった方たちの殆どが一人で悩み抜いてそしてこの場に辿り着いたのだということ、一般的なコースからはみだした途端に頼れる情報が激減するという現状がありありと伺えました。様々な悩みを持ち、相談したいと思っている親と子がいます。親の会にもフリースクールにも、悩みを持つ親と子を受け止める準備はあります。足りないのは、それを繋ぐ手段なのです。両者を繋ぐツールさえあれば、独りで悩んで無駄な深みに嵌ることも避けられるでしょう。この日会場の中には、涙ぐみながら話を聞いていた方も在りました。
 当日は、「ひと塾」からたくさんのお父さん・お母さんが応援に来てくださり、とても嬉しく、誇らしく感じました。私・柴田の頼りない姿をお見せしてしまいましたが、こんなにたくさんの保護者が来ている団体は他になく、私にとっては、あたたかい気持ちになれた一日でもありました。

 官・民にとらわれず、[必要とする人]と[提供する人]を繋ぐしくみを作ることが、今、求められています。今回のイベントを通して[必要とする人]に[必要な情報]が、全体から見れば微々たるものでも確実に届けられました。県教委主催で民間団体を迎えたイベントが開かれたこと自体が、大きな意義をもつのだと痛感しました。私たちの活動は私たち自身が創っていくものですが、その存在が必要とする人に知られなければ、自己満足の活動でしかなくなってしまいます。私たちを必要とする一人でも多くの人に存在を知ってもらえるように、今回のような機会を活用しまた増やしていくことも重要な仕事の一つだと感じています。

(柴田)


「NPOと県との協働推進ミーティング」

 

 2月4日(水)、「NPOと県との協働推進ミーティング」がさいたま市民会館うらわで開催され、多くのNPO団体の提案を軸にして県行政担当課とNPOがミーティングを行った。本学園代表の望月が代表のNPO法人コ・ラ・ボ埼玉は「学校現場と民間機関<フリースクール・親の会等>の協働作業の可能性と求めて」をテーマにした提案を発表、県教委の生徒指導室と話し合いが行われた。
 コ・ラ・ボ埼玉が提案した内容は下記の通りです。

 

テーマ

学校現場と民間機関(フリースクール・親の会等)の協働作業の可能性を求めて

1 NPOと県との協働が必要と考えられるテーマの説明

 不登校・発達障害傾向の児童生徒たち及びその保護者が抱えている課題は非常に複雑であり、様々な角度からのアプローチが不可欠です。従って、家庭・学校・民間機関・医療機関・相談機関皆で情報を共有し、一緒に考えていくことが必要です。しかし、その仕組みが整っていないのが現状です。特に、学校教育現場と民間機関の連携は皆無です。民の方では少しずつでが、協力体制は整い始めています。NPO法人フリースクールむさしの学園の呼びかけで、2003年6月に「子育てに悩む親の集い」ができ、その集いを通してさらに「子育てにかかわる団体があなたと一緒に考える会」ができ、団体同士、親同士、団体と親の連携が深まりました。またNPO法人コ・ラ・ボ埼玉が2004年2月に「子育てになやむ親へのガイドブック」、2006年2月に「新版:子育てに悩む親へのガイドブック」を発刊し、民での繋がりは一層密になりました。この本は埼玉県内の学校教育及び子どもにかかわる行政担当機関全てに無料で配布しました。官と民のパイプ役にしていただきたいと考えたからです。しかし、学校教育と民間機関の連携の必要性が叫ばれているにもかかわらず。学校教育現場と民間機関の連携は未だになされていません。というのも、全ての情報が教育委員会または学校長止まりになり、現場の教職員まで伝わらないからです。連携が本当に必要なのは「学校及び民間機関の現場に関わる人たち」です。そのためにも双方の「情報の共有」を核にした真の連携を図ることが必要なのではないのでしょうか。

2 行政との協働が必要と考える理由,行政の役割として期待すること等

 私たち民間機関は学校教育現場の人たちと話し合いをもつことがなかなかできないのが現実です。前述の「子育てになやむ親の集い」はテレビ・新聞などで大きく取り上げられましたが、教職員の参加は毎回ゼロに近い状態でした。また、生徒指導室が調査したアンケートによれば「民間機関の情報を知りたいがその手立てがない」という回答が多かったそうです。ではどうしたら情報の共有を通して連携を図ることができるのでしょうか。<全ての子どもたちは必ず進化している>という命題の基で、学校及び民間機関の現場に関わる人たちの協働作業の可能性と求め、下記のような事業を行う必要があると考えます。@ 各小中学校の担当教職員に対して民間機関の活動をお知らせするA 各小中学校の担当教職員に民間機関の活動現場を見学する機会を与えるB 各小中学校の担当教職員と民間機関の人たちが情報交換及び話し合いの場面を創出するそこで埼玉県教育委員会の呼びかけがどうしても必要になってくるのです。この協働事業をより効果的な事業にするためには、NPOと生徒指導室の話し合いのプロセスを重視し、埼玉県教育委員会が目指す内容を鑑み、上記の事項に加味したり、上記の事項を修正しながら事業を遂行していくことが大事だと思います。


第4回非行立ち直り支援協議会が開催される

 

 2月5日(木)、第4回非行立ち直り支援協議会が開催され、本学園代表の望月が委員として参加した。20年10月1日からスタートした「青少年立ち直り支援サイト」へのアクセス数は21年2月5日現在で2,338件であるとの青少年課からの報告に対し、委員から「実質的に対応できたのはどうだったのか」という質問が出た。アクセスから次の場面への移行はまだまだという感じだった。21年度にはその点を踏まえた協議会運営が最大の課題になるはずだ。


NPO団体交流会(富士見市)、大成功!

 

 2月14日(土)、NPO団体交流会(富士見市)が鶴瀬西交流センターで開催された。
富士見市内で活動するNPO団体の交流と勉強会が目的で、本学園代表の望月がコーディネーターとして参加した。活発な意見が多く出て、終了後のアンケートでは「とても勉強になった。知り合いが増えてよかった」という声が多かった。


第二回ホームレス総合相談推進委員会が開催される

 

 2月20日(金)、第2回ホームレス総合相談推進委員会がさいたま共済会館で開催され、本学園代表の望月も参加した。主な議案は「埼玉県ホームレス自立支援実施方針」の検討だった。「今ままで実施して効果を挙げてきた総合相談会をもっと重視したほうがよいのでは、最近の話題の派遣村等に起こっている問題と重ね合わせすぎているのではないか」など色々と意見が出された。せっかく現場に近くなった事業が現場から離れていくような気がしてならなかった。現場を重視した事業も時がたつと「形」の事業になっていくのが行政なんだなあ、とつくづく感じた会議だった。


埼玉県南西部地域NPO連絡会(仮称)設置準備会が開催される

 

 3月1日(日)、埼玉県南西部地域NPO連絡会(仮称)設置準備会が開催され、31団体・5市町村担当職員が参加した。多くの団体・職員の参加があったのは連絡会への期待と比例した結果と考えられる。連絡会の趣旨説明、連絡会規約などが南西部地域振興センターから提示され、活発な意見が交わされ、いくつかの訂正事項を含め案がまとまった。また、連絡会の会長には本学園代表の望月が選出され、副代表には小杉武さん(NPOゆめつるせ代表)、石井ナナエ(ふじみの国際交流センター代表)が推薦された。これらの事項は6月27日(土)に行われる第一回南西部地域NPO連絡会で承認され、会として正式に発足する運びになる予定。なお連絡会の事務局は南西部地域振興センターの置くことになっている。


第十回公務員塾を開催
関幸子さんが公務員たちに熱く!語る
「変革時代の地域経営〜公務員が創るビジネスチャンス」

 

 2月7日(土)、第十回公務員塾が志木市のふれあいプラザで開催され、関幸子さん(秋葉原タウンマネージメント<株>)が公務員さんに熱い話を語った。当日のお話内容を戸崎さんが非常に細かくまとめて頂き、当日参加できなかった方々に公務員塾のMLで流していただきましたのでその原稿を戸崎さん(千葉県庁)のご許可をいただきましたので下記に掲載させていただきます。

 

戸崎さん(千葉県庁)の原稿(PDF 527KB)

 


望月が通いつめる場所
第3回(食べ物編)
石挽そば 和處庵

 

 3月23日(月)、大学時代の友人2名と栃木の大田原市のお寺へお墓参りに行った。大学時代からずっと色々な形で深く交わりのあった亡き友人のお墓参りだった。那須塩原駅で下車し、レンタカーを借りてお寺に向かった。お昼時だったのでインターネットで調べた蕎麦屋さんに立ち寄った。4名席が4テーブル、2名席が1テーブルという小さなお店だった。入ってきた私たちの顔を見ながら笑顔で発した「いらっしゃませ」の声が清潔感溢れる、心底明るいトーンだった。都会には出会えない、田舎人特有の気さくな応対に「この店、当たり!」と感じた。案の定、美味しいお蕎麦だった。私の注文したお蕎麦は「辛味大根のもり蕎麦」。辛味大根の汁とお味噌(市販のお味噌か調理したお味噌か聞かなかったが)を蕎麦つゆに入れて食べる。今までに味わったことがない風味ある美味しさだった。もちろん蕎麦は極上の美味しさ。後から来店したお客が注文した時、こっそり厨房に注目していたら、注文された分だけ蕎麦を切っているのにはびっくりした。作り置きしておかないのがここの店主のこだわりなのだなあと感心した。金粉郷産蕎麦を蟻巣石で出来た石臼で挽いた自家製粉で生真面目に作った蕎麦に出会えたことを亡き友人に感謝した。
 お勘定の時、目的のお寺に行く道順を尋ねると、蕎麦屋さんで働いている明るく気さくな女性が「私、よくそこのお寺に行くんですよ。亡くなった方の写真、拝見したことありますよ」という。なんという縁。後で、お寺の住職にお聞きしたら、お寺が忙しいとき、その女性がお手伝いに来てくれている、ということだった。
 お寺に行き、お線香をあげさせて頂き、住職から亡き友達の話を聞き、涙する場面もあったが、私たちが知らない亡き友人の一面も知った。
 お寺を後にした私たちは那須与一、芭蕉にまつわる館を訪ねようとしたが月曜日ゆえ全て休館。仕方なく日帰り温泉へ。お蕎麦屋さんで教えていただいた大田原温泉「太陽の湯」に入った。51度の源泉と知って驚いた。開放的で綺麗な温泉に私たちは満足し、5時30分の新幹線に乗車すべく、大田原温泉を後にした。ところがそこから事件が起こった。車を返すときは満タンにして返さなくてはいけないのだが、それにかかる時間を忘れていたのだ。ロスタイムがない状態だった。ガソリンスタンドどこ?那須塩原駅に向かいながら探しに探した。ない!どうしよう?間に合わなかったら駅の近くで飲もう、なんて言ったものの駅の近くには確かお店がなかった気がした。結局ガソリンスタンドを見つけられないまま、駅に着いてしまった。私一人が車から降りて、新幹線の乗車券を買うことにした。他の二人はレンタカー屋さんに行き、ガソリンスタンドの場所を聞きに行った。
 待てど暮らせど二人は来ない。5時25分。後5分。表に出て彼らを探した。見当たらない。冷たい風が温泉で温まった身体を吹き抜ける。風邪引きそう!中に入って時計を見る。27分。やばいよ、これ!その時、「間に合った!」と叫びながら二人が息を切らせながら走ってきた。駆け足でホームへ。その時、列車が到着した。セーフ。
 私たちは大宮駅で降り、私が大宮にくるとよく行く焼き鳥屋で楽しく飲んだ。「やっぱり満タンで車をお返し下さい、というときガソリンスタンドの場所を教えてくれる思いやりがあっていいんじゃないかな」が結論だった。私は蕎麦屋さんの皆さんの心優しい応対が瞼をよぎった。

石挽そば 和處庵ホームページ